孵化計画

白魔術師の関わるクイズ情報、およびクイズサークル瑠璃に関する情報をお届けします。

大会及び問題コンセプトについて

白魔術師です。
ラピスラズリオープンでは、従来の青問限定大会とはやや異なる独自のコンセプトを志向しています。本記事ではそのコンセプトについて「大会」「問題」の両面からご説明させていただきます。そのために、当サークル「瑠璃」の普段の活動についても若干触れておく必要があります。

クイズサークル瑠璃は、私が学生時代に所属していたクイズサークル「紺碧」の同世代をコアメンバーとして発足しました。それゆえ、サークル員のほとんどがオフラインの競技クイズ経験者であり、過去に「abc」や「パーソン・オブ・ザ・イヤー」といった著名な大会で実績を残しているプレイヤーも少なくありません。そうした競技クイズの方法論で青問を楽しむとしたら、どのようなアプローチを取りうるかを実践するというのが、瑠璃の大まかな活動方針になります。

大会コンセプト
今回の大会において重視したいのは競技性(の高さ)です。従来の青問限定大会は、参加者出題のコースや企画者の好みが濃く出た形式といった「レクリエーション」「娯楽性重視」の企画が多く見られました。私自身も様々な大会に参加し、そうした企画を楽しませていただいています。そうした企画のホスピタリティが好評を得て、各大会のカラーとして定着していることは言うまでもないでしょう。

しかし、本大会ではそうした企画を排し、参加者の皆さんには自分の地力のみを頼りに競い合って頂くことを目指します。類似するコンセプトの大会としては、2年前から開催されている青問の基本問題ナンバーワン決定戦「あにわん!」をイメージしていただければわかりやすいかと思います。現在のところ、ペーパークイズの順位次第で敗退もありうる「紙落ち」方式を採用する予定はありませんが、予選に相当する比較的早い段階での敗退もありうる形式を想定しております。

そうした真剣勝負の場に相応しい問題を用意することは勿論ですが、大会全体における問題設計には注意を払っています。具体的には、適切な構文で書かれているか、大会の各段階における勝負にふさわしいジャンル分布、難易度になっているかといった項目です。


問題コンセプト

次に問題コンセプトについてお話します。当大会で出題される「青問」は、オンラインゲームのジャンル区分に準拠した従来の範囲とは若干異なるものとなります。

アニメ…アニメーション作品やその制作者、周辺文化に関するジャンル

マンガ…マンガ作品、海外のコミックス作品、イラストレーションや、その制作者、周辺文化に関するジャンル

ゲーム…ビデオゲーム作品(コンシューマー、アーケード)やその制作者、プレイヤー、周辺文化に関するジャンル

以上が主要3ジャンルであることは従来通りだと思われます。これらのジャンルが最も出題頻度の高い問題群となります。

特撮…特撮技術を用いた映像作品やその制作者、周辺文化に関するジャンル

ライトノベルライトノベル作品やそれに準ずる小説(映画作品のノベライズやメディアミックスがなされた小説、ジュニア小説、Web小説など)、その制作者、周辺文化に関するジャンル

ホビー…玩具、立体造形物、ボードゲームテーブルゲーム、カードゲームなどの「非電源ゲーム」やその制作者、周辺文化に関するジャンル(なお、囲碁、将棋、チェス、トランプなどの商標を持たない非電源ゲームについては、「その他」のジャンルにおいて出題に足ると判断された場合のみ出題されます)

芸能…声優、歌手、俳優といった芸能関係者、主題歌、サウンドトラックなどの楽曲、2.5次元ミュージカルやライブなどのリアルイベントなどを含むジャンル

ネット…PC(PCゲームを含む)、インターネット、ブラウザゲームソーシャルゲームやその周辺文化に関するジャンル

その他…以上に含まれないものの、アニメ・マンガ・ゲーム等のポピュラーカルチャーと密接に関係する事象に関するジャンル(例:愛好家、ボーカロイド、企業など)

以上の6ジャンルをサブジャンルとします。各ジャンルごとの問題数は必ずしも均等にはなりません。またサブジャンル全体の問題数は、主要3ジャンルの問題数の合計と同等かやや少ないくらいの比率に調整する予定です。

難易度
当サークルは「難問派」「難問傾向」といった言葉でしばしば形容されます。確かに、他大会の準決勝以降に出題されるような、あるいはより難しい問題を普段の例会で出題、楽しんでいることは事実です。しかし、いたずらに難問を出題することを目的としているわけではありません。問題選定、出題に際しては、「クイズという勝負の場において、その出題が勝敗を決する以上の意味を持ち得るかどうか」という、問題自体の価値を重視した結果として、難問が誕生してしまうことがままあるということです。

そもそも、従来の競技クイズにおいて極めて出題機会に乏しかった青問は、いわゆる「ベタ」や「基本問題」の周知、それに基づく傾向の形成と対策が可能である、といったジャンルとしての成熟を未だ迎えていないと考えられます。言い換えれば、我々は青問というジャンルの難易度を計る共通の尺度を持ち得ていないのではないか?ということです。そうした観点から、「一般の競技クイズの場においても出題しうる水準」を満たし、難易度の尺度となるような青問の比重を高めることは、本大会が眼目とするところです。

そうしたコンセプトに基づき本大会では、出題される問題群において難問の比率が従来よりも高まるであろう点については先にお知らせしておきます。しかし、それは難問ばかり出題されるというわけではなく、序盤のラウンドや企画の趣旨に合わせる形で、多くの参加者から解答を求められるであろう問題も多く出題されます。

今回大会では問題の難易度を次の四段階に区分し、ラウンド毎に出題傾向を設定しています。

☆…多くの参加者から正解を求められる、基本、ベタとして位置付けられる問題。既出問を多く含み、全体の問題数の2割程度を占めます。
☆☆…ジャンルに精通した参加者が得点源としうる、やや難しい問題。全体の問題数の3割程度を占める問題群です。
☆☆☆…既存のオープン大会であれば大会後半に出題される、高い専門性が問われる問題。新作を多く含み、全体の3割を占めます。
☆☆☆☆…非常に難易度が高く、正解を期待できないが出題したい問題。出題する意義を強く求められる。すべての問題が新作で、全体の1割程度を占めます。
★…普通の早押しクイズではない問題。全体の1割を占めます。

結果として、解答者から正解が導かれない問題や、参加者の過半数が知らない、わからないといった問題群も出題されるかもしれません。しかし、それらを正当に評価し位置づけるためには、何よりもまず出題されるという過程を踏まなければなりません。歯ごたえがありすぎる位の問題群になるかもしれませんが、その分、一問を正解した際の喜びは、筆舌に尽くし難いものがあります。

とにもかくにも、これまでに発行してきた何冊かの問題集同様に、問題自体に拘る大会を目指しています。奮ってご参加いただければ幸いです。